新撰組-4-夜と昼

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       ――蝶!!  ってことは、……あの大人しい常葉までこっちに出て来てたのか!  よっぽど心配したんだ。……違うか。私が心配をかけ過ぎたんだよね。あとでちゃんと謝っておこう。 「蝶かあー。うーん、そんなに珍しいわけじゃねえな」 「はじめに言っただろう。そんなに珍しくないって」 「いえ。そうでもありませんよ。蝶が人に寄って来るなど、やはり珍しいですよ」 「そうかあー?」 「それだけではなくてですね。私が不思議に思うのは、それらが、総司と桔梗君の回りで起こっていることです。  何か、それられ理由があるのでしょうか?」  山南さんは思慮深く微かに眉を寄せた。 「さ、さあ~?わかりませんねえ」  とぼけるしかない。 「そんなもんは、全部偶然だ!  いつまでも、くっちゃぶってねえでさっさと飯を食え!飯が要らないって言うんだったら、余所に回してやるが、お前らどうする?」  突然、土方さんの苛立った声が響いた。かなりの数の皺が眉間に刻まれている。 「うるさくして悪かった。ちゃんと静かにして食べるから。許してくれ、土方さん」  永倉さんを筆頭に、騒いでみんなが口々に謝った。 「……ったく、新人が一人入ったくらいで、はしゃぎ過ぎだってえの……」  まだ言い足りないのか、土方さんはひとしきり何かをぶつぶつと口にした後、私を見た。 「……な、何か?」  好意的とはとても言えない土方さんの視線が居心地悪い。 「……話がある。飯を食い終わったら、すぐに俺の部屋に来い。いいな、桔梗」 「……は、…い。」  有無を言わせぬ圧力を受けて、私は大きく頷いた。  
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