新撰組-4-夜と昼

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      「……とにかくだ。お前はあんまりふらふら歩き回るんじゃねえ。  いろいろと気がきじゃねえからな」 「……気をつけます」 「……それからだな。昨日の奴らをうろつかせるな」 「昨日の、というと、琥珀達のことですか?」 「そうだ。総司の話の猫、犬、鳥、蛇ってえのは昨日の奴らだろう?」 「……あー、たぶん、そうです。確かめてはいませんけど……」 「総司がお前にちょっかい出したのは聞いた。たぶんそれに対するちょっとした報復なんだろうが。  まあ、やってる事はたいしたもんじゃねえが、重なると変に思うやつも出てくるだろう。現に、山南さんはそう感じてたみたいだしな」 「琥珀達がやった事怒らないんですか?」 「ああ?ああ、あれは総司が大袈裟なだけだ。かわいいもんじゃねえか、あれくらい」  そうか、怒ってないのか土方さん。よかった…… 「とにかくだ。あいつらはうろつかせるな。どこからぼろが出るかわかんねえからな」 「わかりました。よく言っときます」 「それから、それこそたいした内容じゃなかったが、永倉達の言っていた事どう思う?  まあ、偶然が重なっただけなんだろうとは思うが」 「……っ!偶然なんじゃないですか!永倉さんも原田さんも勘違いだって言ってましたし」 「……挙動不審だな。  ……まあ、今日はもういい。俺も疲れている。そういう事にしておこう。  お前も疲れているだろう。今夜はもう休め」  そう言って土方さんは布団を敷くと、さっさとと横になった。 「……早っ!」  思っていたより怒られなくて拍子抜けしたと同時に、土方さんの優しさを知ることができて、ちょっとびっくりって感じだ。  自然と頬が緩むのを感じながら私も布団に横になった。 「……おやすみなさい、土方さん……  ………って!ダメじゃん、私!まだ寝ちゃあ!」  私は慌てて身を起こした。   
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