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「客人だ。茶を用意してくれ」
ブラッドが使用人さんに言う。その姿を見ていたら、視界の端っこにピコピコしたものをとらえた。
「ブラッドー!」
「おかえりエリオット。紹介しよう、余所者のナギだ」
「余所者?」
「はじめまして」
「あ、あぁ。俺はエリオット=マーチだ。よろしくな!」
アリスの言う通り。
耳に目がいっちゃうよなぁ…
「エリオット、お茶会をするから、双子を呼んできなさい」
「わかった」
ウサ耳が…
ウサ耳が遠ざかって行く…
すぐ戻ってくるとわかってても悲しい…
「お嬢さん、座ってくれ」
「あぁ、はい」
とりあえず、ブラッドの向かい側のイスに座った。
「お嬢さんはまだどこにも滞在していないんだろう?」
「え?私は」
「あ!ナギ!!こんなところにいたのか?」
「ボリス!」
「心配したんだぜ?ナギが起きて来ないから部屋に勝手に入ったらナギがいないからさぁ」
「勝手に入るなよ」
「おや…お嬢さんと知り合いか?」
「やあ、帽子屋さん♪知り合いもなにも、ナギは遊園地に滞在してるんだぜ?」
「…そうなのか?お嬢さん」
「え?まぁ…うん」
「ブラッドー!連れて来たぜ」
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