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「………はぁ。聞くんじゃなかった。」
車の中でぼやいているのは私、無空月。
先ほど悪友とも言える雪乃から恐怖話を聞かされてしまった。
「しかもうちが車で来てたの絶対知ってただろ。」
あいつなら有り得る……いや絶対やる。
ふと考え事をしていると交差点に差し掛かっていた。
信号は青で見通しも悪くなく運転しやすい。
「………ここのじゃないだろ。」
少し不安はあったがゆっくり交差点に入っていく。
異様に息苦しい。
交差点だからって怖がってるのだろうか?
「…………はぁ。」
無事に通りすぎた。
「考え過ぎだったよな…ははっ。」
アクセルに足をやりスピードを上げようとした。
『ねぇ…』
足が止まる。
『ねぇ…』
背中を冷たい汗が伝う。
『ねぇ…』
あぁ…窓ガラスは視てはいけない。
『ねぇ…ワタシを視て』
視ては………いけない。
『……視テ。』
目の前に……女性の…………
………ほら…今日も視てる。
ずっと……視てる。
ふふふふ…。
-完-
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