紅い鳥居

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「……………!」 反射的に声が出そうになったが何とか抑えられたようだ。 地面にあったのは…手だった。 動くことはなくただ…その場にあった。 「…………。」 早くこの場所から去らなくては。 そう思い無理矢理手から視線を外し一歩踏み出す。 カランコロン……… 「っ……!?」 足元に空き缶があったらしくそれに当たってしてしまったらしい。 心臓に悪い…早く帰……。 「…………。」 空気がさっきより冷えている気がする。 さっきより風が冷たい気がする。 さっきより……何かの密度が高い。 『だから…気を付けてねって言ったのに。』 雪乃ちゃんの声が聞こえたような気がして振り向いた私の目には………シロイ…シロイ何かが私の元へ………。 あぁ…今日も天気がいいね。 青い空に白い雲。 そして…紅い鳥居。 ふふふ…こんな綺麗な景色が見えるって素敵なことね。 ふふ…ふふふふふ。 -完-
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