White Xmas

11/115
8573人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
その言葉、受け取り方によっては、これとは別に問題のあるナイフも所持しているように聞こえなくもないけれど――役作りのせいだと自分を納得させて、気付かなかったことにする。 何故なら、今のわたしにはそれよりもっとずっと気になることがあって――。 「昨夜、私のこと――。  何処で拾ったの?」 響哉さんは柔らかい笑みを崩さない。 「俺のマーサが拾得物とは気付かなかったなー。  拾い主として何割もらっていいのかな?」 オレンジに噛み付いたのと同じ口で、柔らかく私の耳たぶに噛み付いてくる。 「気持ちだけ、差し上げます」 なんとなく気恥ずかしくなって、そう棒読みで答えると響哉さんの腕の中から逃げ出した。
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!