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高校で2度目の春を迎え、クラスにも勉強にも慣れてきた頃…
お昼ご飯であるやっと手に入れた購買のメロンパンに噛り付こうと口を開けたとき
カナデ
「奏君、ちょっといいかな?」
と女に呼び出された。
「何の用?」
あれから裏庭に連れて来られたのだが、唯一、楽しみな時間を邪魔されたのでいつもよりも一層、機嫌が悪い。
「好きです!付き合ってください!!」
そう言った女は俺の返答を待っているのか上目使いで見てくる。
さっきから匂ってくる香水が臭い。
「あのさぁ……」
俺が喋り出した途端、ピンクに厚塗りされた頬が更にピンクになる。
いや、ピンクというより赤黒いな。
「あんた誰?」
「誰って、同じクラスじゃない…?」
無理矢理女は笑うがそんなの関係ない。
「…興味ないし、名前も知らない。
ってか、うざい。」
そう言い放つと女子は涙を流しながら走って校舎に入って行った。
言い慣れた台詞と女を泣かせるのは今日だけで4回目。
日常茶飯事だ。
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