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カミヤ カナデ
俺の名前は神谷 奏。
校則違反な茶髪で一応、神谷財閥の一人息子であり、表上は跡取りである。継ぐ気はさらさらないし、継ぎたくもない。
教室までの道、廊下では耳を塞ぎたくなるほど煩い悲鳴が響く。
長い廊下をこの煩い悲鳴を聞きながら、歩かなければならないと思うと嫌気がさす。
やっと着いた教室のドアを開けるとニヤニヤしている悪友がいた。
サワタニ チハヤコイツの名前は沢谷 千隼。赤く染められた髪が印象的で、俺の唯一の理解者であるがコイツはちょっとクセのある奴で…
「モテる男は辛いですね。お・う・じ・さ・ま☆」
「遊び人に言われたくない。」
そう、千隼はよく告られては付き合ったりして"来る者拒まず、去る者追わず"の所謂チェリーボーイである。
残り短い休み時間の中、メロンパンを急いで食べたが、味わって食べられなかったことに機嫌の悪い俺を千隼は横目で見て苦笑いをしていた。
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