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嗚呼、気味の悪い綿菓子色の曇天が足元に広がっている。
足元?ああ、僕が逆さになっているのか。
逆さ?ならこのままでは地面に頭をぶつけて死んでしまうのではないか。
(人生の最期のページがこんな得体の知れない場所だなんて、僕も大概ついていないな……)
ぼんやりと今までのことを走馬灯のように蘇らせながら、ルウは空中で思いをはせる。
(嗚呼、こんなことなら昨日温存しておいた茶葉を飲んでしまえばよかった)
あれ高かったのにな、と家に残してきた紅茶葉を惜しむほどの余裕なんて無いはずなのに、ふと思うのはそんなくだらないことばかり。
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