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「………嘘つき。」
走るのを止め、空を睨む。
この場合の【嘘つき】の対象。
朝のニュースで
『今日はドライブにぴったりな晴れの日です』
なんてアイドルみたいな笑顔で言ってた天気予報士の言葉。
と、そう言える様に仕向けた空だ。
「外れる事なんてないのに~」
でも、
「学校に置き傘しといて良かった♪」
バサッ!
手にしていた青い傘を空に広げる。
学校にずいぶん前から置いていた私の傘。
他の生徒の傘も多くなっちゃて…
『今日で持ち帰らないと全部の傘を処分します』…なんて先生言い出すんだもん。
いつも鞄の中に折り畳みを入れているけど、あの傘気に入ってたから私は急いで探した。
やっと私のを見つけて学校出たら…
ナイスタイミング!
(ヤバい、遅れる…)
足元が滑らないように、小走りになりながらバイト先へ向かった。
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