第十一章

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この更新後にも、ガルマン帝国は電撃的な進攻を行う事になるが、それでも銀河中心部より少し広がったあたりで止まった。 これは、ガルマン帝国の戦力増強が追いつかない事が大きな要因であり、ボラー連邦としても少しだけ落ち着かせる事が出来たのだが、逆に攻め入る事は不可能である。 攻め入るとなれば、それだけの兵力は集中せねばならず、そうする事によって他の戦線の防衛力は低下せざるをえないのだ。 ここまで進むまで、帝国建国から凡そ2ヵ月は掛けているのだが、無理も出来ない。 ガルマン帝国領― 首都『ガルマン』星― デオル星系会戦より3ヵ月以上経過した今、ガルマン帝国も大幅な復興が進んでいる。 軍事増強も格段に進んでおり、概算で5000隻近くまで膨れ上げさせており、それだけ技術者達も頑張っている事が伺える。 そしてデスラー自身は、正式に国民の支持を得て就任しており、その支持率は100%に届かんとするものであった。 ガルマン・ガミラス帝国初代総統として、彼は銀河最強の国家を創り上げようと野望を燃やしている。 総統府『デスラーパレス』― ここ、新たに建設されたデスラーパレスには、各方面軍の司令官達が定時会議に出席するために姿を見せている。 その中には、先日の戦いで活躍したガイデル、ヒステンバーガー、クロッテルン、フラーゲ、アクション、ドラム等、多くの提督達が既に座っていた。 そして今回は、国家全体で広がっている不穏な動きと、新兵器の開発報告、戦況報告が行われる予定である。 今か今かと待っている提督達の前に、遂に彼は姿を現した。 相変わらずのカリスマ性を漂わせ、威厳を発するデスラーを前にして彼らは席を立ち、デスラー総統、万歳! と3回ほど言う。 デスラーが着席すると他の者もならって着席し、会議の進行担当するキーリングが立ちあがった。 これまでに、彼らは相当なる武勲を立てて来ており、所属も様々である。 このキーリングにしても、今やガルマン帝国総参謀長という地位に付く身であり、そのきれる頭脳はデスラーの信用を買っていた。 そして、いよいよその会議が彼によって幕を空けたのである。
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