第一章

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イスカンダルがゴルバの超兵器α砲による攻撃を受け、宮殿にいたスターシアらが、危うくやられそうになった時も、彼は自分の身を犠牲にしてまで守ろうとした程だ。 目を閉じて、その時の過去の出来事に耽っているデスラーであったが、そこへ腹臣のタラン将軍が声を掛けて来た。 タラン「総統。」 デスラー「どうしたのだ、タラン。」 ふと、声を掛けられ現実に戻るデスラーは、腹心を見やった。 タラン「先ほど、銀河系の中心部、核恒星系に到達しました。」 デスラー「そうか。未だに、移住可能な惑星は見つかってはいないか?」 その質問に、虚しく答えを返すしかなかった。 ただ、簡易的な処置を施せば、基地として機能可能な惑星も幾つか見受けられた。 そのような惑星には、小艦隊によって改造され、後々のために活用される事となる。 デスラー「まだ、探索を始めたばかりだ。必ずや、我らの母なる星が見つかる筈だ。」 惑星が無限にある。 だが、それら全てが彼らに適した環境とは言い難い。 的した惑星を発見するためには、数十年以上も掛かる探索なのだ。 それでも、デスラーは第二の母なる故郷を求めて放浪の旅を続けている。 それもまた、気の遠くなる旅になるであろうと、覚悟していた。 が、早々に、それは覆される事となる。 半月後― デスラーに嬉しい連絡が入った。 探索に出た先遣隊が、遂に移住可能な惑星を発見したのだ。 それはガミラスの同胞達にも歓喜を湧き起こした。 デスラー「遂に、見つけたか…。」 タラン「はい。我らの新たなる故郷が、遂に見つかりました。」 デスラーの表情に笑みが零れる。 早速、その星の情報を集めるべく、行動を開始した。 デスラー「タラン、全艦にワープ準備をさせるのだ。至急、探索に出た部隊との合流を行う!」 タラン「ハッ!」 小部隊から送られてくる座標を、航行路データにインプットさせるガミラス兵達。 念願だった第二の故郷の発見に、嬉しい気持ちを押さえている。 これで、新しい国家を築き、周辺の星々を従えて理想なる大帝国を構築してゆく。 〈総統閣下! 全艦、ワープ準備完了しました!〉 通信機を通して、旗艦に伝わる。 その報告に頷くデスラー。 復唱するかのように、タランが命令を下した。 タラン「全艦、ワープ!!」 旗艦がワープを始めるのに倣って、他の艦も一斉にワープを開始する。 デスラー(もうすぐだ。もうすぐで、第二の故郷にたどり着ける。) 彼自身も、内心に高揚した気分を秘めつつ、旗艦『デスラー・ガミラシア』もワープ空間へと突入を開始した。

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