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イスカンダルがゴルバの超兵器α砲による攻撃を受け、宮殿にいたスターシアらが、危うくやられそうになった時も、彼は自分の身を犠牲にしてまで守ろうとした程だ。
目を閉じて、その時の過去の出来事に耽っているデスラーであったが、そこへ腹臣のタラン将軍が声を掛けて来た。
タラン「総統。」
デスラー「どうしたのだ、タラン。」
ふと、声を掛けられ現実に戻るデスラーは、腹心を見やった。
タラン「先ほど、銀河系の中心部、核恒星系に到達しました。」
デスラー「そうか。未だに、移住可能な惑星は見つかってはいないか?」
その質問に、虚しく答えを返すしかなかった。
ただ、簡易的な処置を施せば、基地として機能可能な惑星も幾つか見受けられた。
そのような惑星には、小艦隊によって改造され、後々のために活用される事となる。
デスラー「まだ、探索を始めたばかりだ。必ずや、我らの母なる星が見つかる筈だ。」
惑星が無限にある。
だが、それら全てが彼らに適した環境とは言い難い。
的した惑星を発見するためには、数十年以上も掛かる探索なのだ。
それでも、デスラーは第二の母なる故郷を求めて放浪の旅を続けている。
それもまた、気の遠くなる旅になるであろうと、覚悟していた。
が、早々に、それは覆される事となる。
半月後―
デスラーに嬉しい連絡が入った。
探索に出た先遣隊が、遂に移住可能な惑星を発見したのだ。
それはガミラスの同胞達にも歓喜を湧き起こした。
デスラー「遂に、見つけたか…。」
タラン「はい。我らの新たなる故郷が、遂に見つかりました。」
デスラーの表情に笑みが零れる。
早速、その星の情報を集めるべく、行動を開始した。
デスラー「タラン、全艦にワープ準備をさせるのだ。至急、探索に出た部隊との合流を行う!」
タラン「ハッ!」
小部隊から送られてくる座標を、航行路データにインプットさせるガミラス兵達。
念願だった第二の故郷の発見に、嬉しい気持ちを押さえている。
これで、新しい国家を築き、周辺の星々を従えて理想なる大帝国を構築してゆく。
〈総統閣下! 全艦、ワープ準備完了しました!〉
通信機を通して、旗艦に伝わる。
その報告に頷くデスラー。
復唱するかのように、タランが命令を下した。
タラン「全艦、ワープ!!」
旗艦がワープを始めるのに倣って、他の艦も一斉にワープを開始する。
デスラー(もうすぐだ。もうすぐで、第二の故郷にたどり着ける。)
彼自身も、内心に高揚した気分を秘めつつ、旗艦『デスラー・ガミラシア』もワープ空間へと突入を開始した。
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