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さて、ここは図書室。
今日も、いつものように誰も居ない…と思ったら、珍しく誰か居るな。
あれは…
「オラ、まだ金あんだろ?さっさと出せよ!」
「ホントにこれしかないんです、だからもう許してください…」
最悪だ、こんなうるさい図書室は珍しいぞ…
「すいません、ここは図書室なのでもう少し静かにしていただけないでしょうか?」
「チッ、祐介か…すまんね、俺は今優しい涼太君からお金をお借りしようとしてるんだよ」
「そんな事は知ったこっちゃねえって話です。
カツアゲやりてえならどこか別の場所でやれよ、弱者しか標的に選ばないチキン野郎」
おれは極めて穏便に、そして優しい口調でこいつ、広沼 鈍汰(ひろぬま どんた)に言った。
き・わ・め・て穏便に、優しい口調でいった。
「ったく、しつけぇ奴に捕まっちまった。まぁいいわ、オンリー借りてくぜ!」
おっと、それは
「すいませんが、本日折坂 涼(おりざか りょう)は俺と一緒に仕事のため、貸し出しできません。
日を改めて、出直して来てくださいチキン野郎」
と、自分でも寒気がするくらいの優しい口調で言ったら、
「んだと?馬鹿にしてんのか!」
これだから単純野郎は…
「いいから、黙って消えるか今すぐ消されるかどっちか決めろって言ってんだよ。お前に決定権があるだけまだましと思えや屑」
「…っち、しゃあねぇな、それじゃあまた来るからな、オンリーくん」
といって鈍汰は去っていった。
「た…助けてくれて、ありがとうございます」
あ…こいつ忘れてた…
「ただ純粋にうるさかったから止めたのであって、あんたを助けたワケじゃない。
まぁあんたはしばらく、保健室あたりで隠れてた方がいいと思うぞ」
結構派手にやられてるしな。
「ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げて、涼は図書室から出て行った。
ちなみに、なぜあのやりとりで鈍汰が去っていったかというと…まぁまたこんど。
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