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「ねぇ、出ないの?」
震え続ける携帯を見つめたままの俺を見て亀が声をかける
その声に我に返って顔を上げた
「え?あー、知らない番号だからいい」
「知らない番号ねー、また登録し忘れてたりしてない?」
「してねーし、亀梨こそそう言うこと多かったじゃん。繋がらないこともしょっちゅうで」
「あれ、そうだったっけ?」
2人でそんなくだらないことを笑いながら話してたらいつの間にか着信は切れていて
太陽は水平線に沈みかけていた
「俺らここでどんだけ話してたんだよ」
オレンジに染まる海を見つめながら亀は笑顔で呟いた
「赤西とこんなに話したのもいつ振りなんだろ」
そう言った亀の顔は夕日に照らされいたこともあって俺には輝いて見えた
「亀梨…」
「…何?」
「あ、のさ…」
「何だよ、いきなり」
「………やっぱりなんでもない!」
「はぁ!?」
肝心なところで怖気づく
ははっ
俺ってこんなにヘタレだったのね
結局、何の進展もないまま自分のヘタレっぷりを再認識した1日になってしまったのだった
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