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俺が頭を切り換え終えた時に、丁度二が口を開いた。
「私が新聞部にいた頃はデジカメも使ってたわ、それで色々あって新聞部を退部させられて情報屋になった時に、この携帯を使うようになったのよ」
二がポケットから深紅の携帯を取り出す。
「ん~、私が携帯のカメラを愛用する理由ねぇ……」
二は右手を顎に当て、考える仕草をする。
「……ああ、撮った写真をすぐに家のパソコンに送れてバックアップがとれて、なおかつその場で弱みを握った人に『この画像をあなたの知り合い全員にメール送信するわよ』と脅かせばより効果的に相手を脅かすこともできることかしら」
恐いことを飄々とした顔で言いやがった。
質問した事を後悔しかけてる俺にかまわず、二は続ける。
「あとほら、携帯って電話もメールできるし、時にはカメラ代わりにもビデオカメラ代わりにもパソコン代わりにもなるし、デジカメよりも多機能じゃない?」
今日の二はよく喋るなぁ、好きなことになると人って饒舌になるよね。
「そういう多機能な携帯を駆使して弱みで人を操ってるとまるで自分がスパイになった気分になるのよ!」
二が目を輝かせて言っているが、言ってる内容が酷い。
「さて、次は明日倉の質問タイムよ」
「……言ってる意味がわからないんだが」
突然、二が訳が分からないことを言い出した。
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