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「当たり前じゃない、この世はギブアンドテイクよ」
「そんなこと全然言ってなかったじゃねぇか」
「安心しなさい、弱みにならなそうな質問してあげるから」
「そういうことじゃ……」
諦めた。もう抵抗しても無駄だろう。
「明日倉っていつから紅茶好きだったのかしら?」
二が俺が諦めたのを確認すると早速質問してきた。
本当になんてことない質問だ。てっきり二のことだから…………いや、これ以上考えるのはよそう、二に心の中まで読まれてそうだから。
「ちなみに私の調べだと、明日倉は中学校に入った時には既に紅茶好きだったらしいわね」
「ん? 違うぞ?」
「あれ? おかしいわね、だって中学校の入学式の帰り道で『午後の紅茶』を買ってたって情報があるんだけど」
「…………よくそんな情報掴めたな」
俺が今まで躓いて転んだ回数も把握してそうだ。
「あの頃は別に好きでも嫌いでもなくて、その時も単にジュースに飽きたから『午後ティー』を選んだだけだと思う」
ちなみに俺は今でもたまにペットボトルの紅茶を飲む、世の中には『ペットボトルの紅茶は紅茶じゃない』と言う紅茶好きもいるらしいが、あれはあれで個人的に好きだ。
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