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創立者祭が三日後に迫った朝。
いつものように学校に行く支度をして、リビングに降りた時。
「息子よ」
なんか母さんが俺の目の前で仁王立ちしていた。
「どうしたのさ」
「息子よ、お前はもうすぐ高校生活の折り返し地点に立つ、そしてもうすぐ受験と言う名の戦場で生き抜かなければならない」
「朝っぱらなに気の重くなる話をしてるんだい?」
俺がげんなりしていても母さんは重々しい声で続ける。
「そんな息子に母である私は何ができるであろうか! ゆりかごから墓場まで愛する息子を近くにいて守り続ける事だろうか? 否!」
母さんの熱の入った演説は続く、俺はテーブルに置かれたトーストをかじる。
「真の母親とは、息子を遠ざけ! しかし陰ながら息子の様子をうかがい、本当に困った時に力を差し伸べる! つまり直接ではなく間接的に息子をサポートするのが母親の義務であり役目なのではないのだろうか!」
「そーですね」
トーストの最後の一口を口に放り込み、適当に相槌を打つ。
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