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「もう少し値段高くしてもいいんじゃないか? 需要はあるわけだし」
特に『料理研究会以下略』とか。
「確かに儲けも重要ですけど~、今はそれより仕入れをしたりそれをいかに安くお客様に提供できるかを考えるのが好きなんですよ~」
瑞美が自分の担いでいるザックを叩く。
「この中に入ってる商品も~、お客様が必要としそうな商品を予想して準備するのが楽しいですしー」
「……気になってたんだが、よくそんな重そうなザック担いでられるな」
瑞美は少し小柄な体型だし、おそらく重量的にはザックの方が重いかもしれない。
「あ~、よく言われますー」
瑞美が朗らかに笑う、間延びした口調だから体重まで軽そうなイメージだ。本格的に重量バランスが気になってきた。
「一年の頃はしょっちゅうザックに振り回されてきましたけどー、二年になると体力やバランスの面が鍛えられたおかげでこの通りです~!」
瑞美がその場でバランスを崩すことなく一回クルリと回り、胸を張ってみせる。
…………二と違って、瑞美ってけっこうあるよなぁ。
二にバレたら俺という存在が地球上から間違いなく消される考えを即座に振り払う。
もしかしたら瑞美はあの部分とザックで前後の重量バランスをとっているのか? とかのアホな考えもまとめて振り払う!
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