1・序章

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丸い窓から、丸い地球が見えた。初めて見る地球は私に優しく微笑んだ。 そしてそれは青く小さかった。 銀河系、最果ての星『希望』から宇宙へと飛び出し、約30日……青い星、地球へと辿り着く。 元々、『希望』は地球からの移民で生命の住まう星となったという説がある。地球の先住民である『ヒト』が私たちの祖先だというのだ。 しかし、これは伝説のみで語られている一種の伝承のようなもので、確固たる証拠は無い。 『ヒト』は私たち『タミ』と姿形が酷似しているのがその理由の一つであるが、DDFレベルの遺伝子にはかなりの違いが見られる。 例えば明らかに違うのは目の色である。 我々『タミ』の瞳は黒色であるが、『ヒト』の瞳は青である。 伝説によれば、今から8000年ほどの昔に、地球で起こった大戦において新日本帝国・アジア連合という複合国家が各国との争いで敗北を喫し、現在のイ-14系第五惑星・希望へと移住したのだという。 もし、この伝説が本当ならば我々は故郷に刃を向けることとなるだろう……
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