1・序章

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あと数時間もすれば、我々『希望』側から宣戦布告が地球に対して行われる。……といっても、もうすでに地球領宙域内に侵出停滞しているわけで、宣戦布告もあったものではない。 銀河統一院いわく、ガナ大戦、地球で言うところズムナテリトリーウォー、我々が言う銀河三宙域大戦が終わり、銀河系全ての惑星が統合され173年。 小さな紛争はあったものの、この美しい銀河には平穏がもたらされている。 しかし、今日この日、再び銀河が戦火に燃えようとしていた。 いや、正確には銀河・太陽系第三惑星の狭い範囲内ではあるが、我々の第一次機先攻撃大隊が潰滅的打撃を受けた場合、地球・第二銀河防衛連合軍が希望へと攻勢に転ずる可能性は有り得る。 『防衛軍』と名付けられているが、それは建前であり今までの銀河史を振り返っても幾度となく侵攻戦に加担、あるいは主導してきた。 こうなると、中立を決め込んでいる他の銀河統一院所属の星や独立居住区たちもどう出てくるかはわからない。 『地球が動けば銀河も動く』 私たちイ-14系第五惑星・希望のことわざである。
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