1・序章

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そもそも、我々『希望』と『地球』がこのような事態になったのには色々な背景や事情がある。 まあ、いつの世もどんな戦争にも敵、味方、お互いに譲れぬ事情というものがあるもので、だからこそ争いというものが起こってしまうのだが…… 銀河統一歴168年、我々イ-14系第五惑星・希望は生命線ともいえる鉱物資源『レキミニウム』の底が突いた。 何千年もの間、このレキミニウムを各惑星に大量輸出し、星財を賄ってきた希望であったが、レキミニウムを掘り尽くし、希望星下の各国は未曾有の大不況に襲われる。 雇用問題、貧困、治安低下、そして各国間の紛争。 まさしく、希望は絶望へと変わった。 各国民族の不満を抑えるため、希望国連は兼ねてより険悪な関係であった隣星であるイ-14系第八惑星・『遷』に目を付けた。 希望国連議会でタカ派がハト派を押さえると、 『遷の支配体制は苛酷で不条理であり遷民の意にそぐわないものである。ゆえに我々、希望は遷の全ての民を解放するべく、遷共和連合政府に対し攻撃を開始する』と、トンでも無い言い掛かりで戦争を吹っかけたのだ。
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