1・序章

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こうして、紆余曲折を経て今に至るわけなのであるが、 兎にも角にも、こうなってしまった以上は祖国である希望のため死する覚悟にてのぞむべし……で、ある。 希望の上層部や銀河統一院の思惑や謀略などは知ったことではないし、政治のことなど知りはしないが、希望には家族がいる。友がいる。仲間がいる。 希望という星はこのままでは死んでしまう。 だから、私はこの戦いにテストパイロットとして参加したのだ。 テストパイロット……それは試作機などの機体を正式運用する前に試乗する役目の事であるが、軍属では無い。 私は一応、民間の『市ヶ谷』という軍事工業会社から派遣されて、この軍艦にいる。 しかしながら、いざ戦争に突入すれば民間から派遣されたパイロットも軍属も、試作も常用も関係無く戦場に駆り出されるのが戦争である。 現に私は今から一機動小隊に組み込まれるらしいのだ…… 通常、民間パイロットが軍の小隊に付属することは有り得ないが、それほどに人手不足ということであろう。
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