6・死霊

9/9
前へ
/266ページ
次へ
再び、時が止まった両機。 あの死霊と同等で渡り合えるツェンコォイ……何者なんだ…… さすが、遷のエースパイロット…… 両機、動かぬまま1分経過、光無線通信機からかわいらしい女の声が入る。 「こちら白虎。第11機動小隊、帰還せよ。戦闘時間が超過している。直ちに帰還せよ」 戦闘時間超過……。 私たちは戦闘時間が『一応』決められている。5時間である。 5時間毎に休憩を挟まなければならない……という法律である。 あくまで、戦場で戦う兵士のための建て前的な軍法であるが、緊急時以外は一応守らなければならない。 「だってよ。ツェンコォイちゃん、どうする?」 斉藤二尉の言葉に、ツェンコォイは「帰ル」と一言だけ返した。 ツェンコォイ機はKATANAの出力を落とし死霊へと投げ渡すと、右のアームで死霊へと敬礼を行い反転した。 一方、死霊はその敬礼を返すことは無かったが、自分のヒートソードをツェンコォイへと投げた。 それを受け取ったツェンコォイは帰艦のためビシャモンを進める。 それに釣られ、黒魔女全員がその場より離れ白虎へと向かった。
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1799人が本棚に入れています
本棚に追加