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転入生×訓練=ハプニング!?
風が吹いていた。
時に泣き声、時に呻き声へと姿を変えるその風の中で、一組の男女が立ち尽くしている。
この世の終わりを思わせるような、荒れ果てた剥き出しの地平線。
その果てにて、男女は一つのシルエットとなる。
流れ行く黒雲も、張り詰めた血と炎の臭いも、全てが2人の悲劇を祝福していた。
「死ぬな……死ぬなッ、ひかるゥゥゥゥゥゥッ!!」
男の絶叫が、果てしない荒野を木霊する。
男の腕の中で抱き締められた少女は、額から血を流し、今にも事切れそうなか細い呼吸を繰り返していた。
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