嫌われ者とは何か

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 安藤がしげるに代走を頼んだとき、南郷と利根川がリーチをかけていたときだった。しかも安藤はそのとき一位で、あと二局しのげば勝てるところまで来ていたのである。 「アカギ君、君ならきっとあの二点リーチをしのいでくれるだろ? 頼むよ~」  表面上は了承したものの、しげるはしのぐ気などさらさら無かったようだ。  しかも安藤の手はどんどん高値になっていく。このままいっては一位を独占されてしまうと踏んだしげるは、あっさりと南郷に振り込んだ。  それは偶然役満で、その局は南郷が逆転したのである。  戻ってきた安藤は大層嘆いていたとかなんとか。 「……ア、アカギ君!! 君なら僕を助けてくれると思って信じていたのに!!」  ……らしい。 「……そう簡単に、人を信用するなよ」  ククク…、とそれはそれは人の悪い笑みを浮かべてしげるは笑って見せた。 「………」  味方だと頼もしいが、一転敵に回るとここまでタチが悪かったのか、とカイジは認識せざるを得なかった。
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