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ん~よく寝た。
軽く伸びをして起き上がると見慣れない景色。
あぁ、やっぱり夢じゃなかったの。。。
着物姿の自分に、咲は額を押さえた。
しかし、寝た分だけ気持ちが楽になっていた。
帰りたくても帰れない、
帰り方が分からない以上は、此処で生きていかなければならない。
寝て起きたら幕末だったなら、
寝て起きたら平成に、いつかは帰れる可能性もある。
まだ、単純に、そう考えていた。
溜息とともに、懐中時計に目を向ける。
当然ながら、動いてはいない。
ケープもドレスも下着も、指輪さえも土方が持っていってしまったため、咲の手元にはコレしかない。
止めようの無い溜息がまた零れた。
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