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眠りを妨げられたせいか、眉間に皺を寄せながら目を覚ました。
春名咲である。
彼女はゆっくりと十秒ほど男らを見回すと、腹の底から悲鳴をあげた。
「キャーーーー!!!
ムグッ」
四人のうちの一人、一番綺麗な顔をした男が咲の口を押さえた。
目を見開き、怯えた表情をすると
「大丈夫ですよ。
あなたに危害を加えるつもりは無いので、少し静かにして、質問にこたえてくれませんか?」
口元を押さえていた男は、柔らかい口調で咲に微笑みかけた。
壊れた人形のようにカクカクと首を振ると、男は更に笑顔になり、口をふさいでいた手を離した。
意味分かんない。
何この人たち。。。
口元を覆っていた男の手はなくなったが、今度は自分の手を口元にやる。
理解出来ない状況に、ただ呆然としていた。
「じゃあ俺土方さんと近藤さん呼んでくるよ。」
一人が部屋を出ていき、そこでやっと咲はまわりを見渡す余裕ができた。
聞きたい事は、山ほどあったが、咲が口に出せたのは、一番単純であり、一番気になる事だけだった。
「…ここ、どこですか?」
。
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