▲第二章▲

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頭を整理しなければいけない。 見渡せば、咲は畳の上の布団の中にいた。 …ソファーは? しかもうちに畳なんてあったっけ? …いや無い! うちのマンションは1LDKの新築、フローリングだ! 何から考えるべきか分からず一人百面相していた。 自分のマンションではない所で、知らない男に囲まれているという事のみ、理解した。 「お前、言葉分かるのか?」 そんな咲の様子を見ていた男が、静かに聞いた。 落ち着きのあるその声は、見た目より落ち着いていて真面目な印象である。 「え?あ、はい。 普通に分かりますけど…」 思考が状況に追い付かず、咲は目だけを活発に動かした。 畳以上に、男の服装がおかしかった。 よくよく見ると、彼らは全員袴をきていた。 成人式に着るような袴ではなく、剣道着の様な、それでいて、防具などは付けていない。 何から聞けば良いのか分からず、咲はただ目をまるくしていた。 「おぉい。はいるぞー」 その時、先ほど出ていった男の声がして、さらに二人の男を連れて入ってきた。
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