呪3魂『鏡の絆』

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呪3魂『鏡の絆』

1982年7月23日赤城誠と美原加奈子は、中学1年生の時に恋におちた・・・そして1年後1983年8月15日に一人の男児を出産・・・だが男児は、産まれた直後トイレに流され死亡した・・・その子は、名前すら与えられずに亡くなったと言う・・・。 1983年8月15日 死後の世界 『可哀相にな・・・。』 死後の世界の魂になった人々が涙を流し続ける男児の元へと集まった。 『まったくだ・・・せっかく産まれたのにトイレに流すだなんて・・・。』 『おどき!あたいが泣き止ませてやんよ!』 魂の集まる中に輝くように美しい女性がきた。 美しい女性は、男児を抱き抱えると男児は、ピタッと泣き止んだ。 『ほらほら!あたいが来たからもう大丈夫だよ!』 『あたいの名は、きくりだよ!そこをおどきな!』 きくり・・・そう・・・かつて地獄少女になると言い張っていた背中にぜんまいがある少女の事だ・・・閻魔あいがいなくなってから地獄少女になろうとしたが、許しが貰えず変わりに大人の女性の体を閻魔様から受け取ったのだ。 『あんた・・・可哀相に・・・よし!あたいが名前をつけてやるよ!・・・ふーん苗字は、赤城と言うのかぃ・・・。』 きくりが男児の頭の中を覗き見ると男児の頭の中では、赤城誠と美原加奈子の二人の姿が見えた。そして赤ん坊の男児も赤城とつけた服を着て加奈子の枕元ですやすやと眠っていた。 『なるほどね・・・望まれずに産まれた子供だったのかぃ・・・。』 きくりがそう言うと一つの小瓶を取り出した。 『今清めてやるからね・・・。』 小瓶からきらきらと鏡のように輝く水がジョロジョロと出てくると男児の体を包みこんだ。 『・・・そうだね・・・この子の名は、太一だ!太一だよ!』 そしてきくりに17才ぐらいの男子の体を貰った太一は、恨みを晴らしにと地獄少女の仲間になろうときくりから餞別で一枚の小さな鏡をもらい旅立ったと言う・・・。 きくりは、太一の母親でありきくりから貰った鏡で結ばれた絆の相手でもある・・・。 予告 呪4魂『守れなかった無念』
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