第一話

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「おい、お前たち!! もう入学式が始まるぞ、早く来い!!」 第一闘技場の入口に立っていた女性が、女性とは思えない口調で言ってきた。 「す、すいません」 「うむ、いいから早く……おっ、ハサウェイではないか。 まだ寝坊癖は直っていないのか?」 と、あからさまに呆れて言ってきた。 「姉……シルビアさん。 違いますよ、少し厄介事に巻き込まれただけです」 ハサウェイは、また無表情で返した。 ティアは、二人のやり取りを見て、知り合いなの? というような疑問に満ちた表情をハサウェイに向けてきた。 ハサウェイは、「ちょっとした知り合いなんですよ」と、耳打ちした。 ティアは、耳元で囁かれてくすぐったかったのか、「あっ」と甘い声を漏らし、頬を少し赤らめていた。
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