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「ほら、お前たちさっさと入れ」
シルビアが、そんなやり取りをしている二人を、早く中に入るよう促した。
思い出したように付け足す。
「あぁ、そうだハサウェイ、お前はSクラスだ」
「はい、わかりました」
今年のアークライム騎士養成学校のクラス編成は、A~Iまでの9クラス、それと入学試験での成績上位20名で構成されるSクラスの全10クラスがある。
学年は1~3学年まである。
自分のクラスを聞いたハサウェイは、ティアを連れて闘技場の中へ入って行った。
ハサウェイのいなくなった入口で、シルビアがぽつりと呟いた。
「あの子が、他人と手を繋ぐとは……な」
そう呟くシルビアの顔は、どこか嬉しそうであり、満足そうな表情を浮かべていた。
―――――
―――
―
「ハサウェイ君、Sクラスなんですか。
ふふっ、私もなんですよ?」
「へぇ、そうなんですか。
ティアは成績優秀なんですね」
どうやら、ティアも同じSクラスらしい。
それにしても、ティアはやけに嬉しそうな顔をしている。
――何かいいことでもあったんでしょうか?
ハサウェイとティアはSクラスの最後尾に並び、着席した。
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