第一話

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――――― ――― ― 入学式も終わり、ハサウェイは一人で1-Sクラスの教室に向かっていた。 「おーい、ハサ!!」 突然、後ろから声が掛かった。 ハサ……こんな呼び方をするのは、この世界に二人しかいない。 一人は、今は亡き兄・クェーサー。 つまり、現時点でハサウェイをハサと呼んでくる人物は一人しかいない。 「何ですか? アリオン」 ハサウェイは、後ろを見向きもせずに言った。 「何だよ、やけに冷たいな。 初等学校来の友への挨拶にしてはよ」 「はいはい、すみませんでした。 ……で? アリオンもどうせSクラスなのでしょう? なら、早く行きましょう」 「おう、そうだな」 アリオンは、ハサウェイと肩を組み(アリオンが一方的に)、1-Sクラスに向かって歩き出した。
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