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そんなある日のお昼のことだった。
いつものように、ハサウェイが一人でお弁当を食べていると、黒髪の少年が近寄ってきた。
「一緒に食べてもいい?」
「えっ……僕と?」
ハサウェイは驚いた。いつもオッドアイを気味悪がられ、罵詈雑言を吐かれていたので、まさか、友好的な言葉を掛けられるとは思っていなかったのである。
「他に誰がいるの?」
クスクスと笑いながら、黒髪の少年は疑問文に疑問文で返してきた。
「でも……いいの?
僕の目、気持ち悪いでしょ?」
「なんで?
カッコいいじゃん!
あっ、俺アリオン・ダーインスレイヴ、よろしく」
「あっ……僕はハサウェイ・レクセシオンです、よろしく」
黒髪の少年、アリオンは気味が悪いと言われ続けていた目を“カッコいい”と言ってくれた。
それが、幼いハサウェイにとって、どれほど嬉しかったか。
どれほど救われただろうか。
今、隣りで呑気に笑っている彼は知る由もないだろう。
――アリオン、君は僕の罪を知って尚、側にいてくれている……
ありがとう。
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