第一話

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そんなある日のお昼のことだった。 いつものように、ハサウェイが一人でお弁当を食べていると、黒髪の少年が近寄ってきた。 「一緒に食べてもいい?」 「えっ……僕と?」 ハサウェイは驚いた。いつもオッドアイを気味悪がられ、罵詈雑言を吐かれていたので、まさか、友好的な言葉を掛けられるとは思っていなかったのである。 「他に誰がいるの?」 クスクスと笑いながら、黒髪の少年は疑問文に疑問文で返してきた。 「でも……いいの? 僕の目、気持ち悪いでしょ?」 「なんで? カッコいいじゃん! あっ、俺アリオン・ダーインスレイヴ、よろしく」 「あっ……僕はハサウェイ・レクセシオンです、よろしく」 黒髪の少年、アリオンは気味が悪いと言われ続けていた目を“カッコいい”と言ってくれた。 それが、幼いハサウェイにとって、どれほど嬉しかったか。 どれほど救われただろうか。 今、隣りで呑気に笑っている彼は知る由もないだろう。 ――アリオン、君は僕の罪を知って尚、側にいてくれている…… ありがとう。
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