第一話

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「……い、おーいハサ!! 聞いてるか?」 「すいません、まったく聞いてませんでした。 で、何です?」 アリオンに隣りで大声で呼ばれ、ハサウェイは思考を止めた。 「だ・か・ら!! 何でも、王女様がアークライムに入学して来るんだってよ!! な、すごいだろ?」 「そうですね、わざわざ騎士養成学校に入るなんてもの好きな人ですね」 興奮して、今にも発狂しそうなアリオンに対して、 ハサウェイは至極無表情で返答する。 わざとではない、もう感情を表に出さないことが、癖になってしまっているのだ。 アリオンも、それを分かっているのか、別段気にしている様子はない。
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