第一話

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そんなくだらない会話をしている内に、二人は1-Sクラスにたどり着いた。 ハサウェイとアリオンは自分の名前のプレートが置いてある席に腰を下ろした。 ハサウェイの席は、四列あるうちの、左から二列目の三番目。 至って教室の中央付近だ。 アリオンは、ハサウェイの後ろの席だった。 左隣りに目を向けると、ティアが座っていた。 ティアも、ハサウェイの視線に気付き、話しかけてきた。 「ハサウェイ君、隣りの席なんだね。 よかったぁ、隣りの人がどういう人なのか、ドキドキしてたの」 「そうですか、僕もティアが隣りでよかったですよ」 話しかけてきたティアは舌をペロッと出して笑っていた。 その仕草が実に様になっていて、とても……可愛かった。 だから、ハサウェイは普段なら絶対に言わないようなこと、 “ティアが隣りでよかった” などと言ってしまったのだ。
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