第一話

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ティアはその言葉に、ほんのり頬を紅潮させ俯いてしまった。 「いや、あの今のは知り合いで安心した、という意味ですから」 俯いてしまったティアを見て、ハサウェイは慌てて付け足した。 「う、うん。そっか、そ、そうだよね」 ――ふぅ……いけませんね。どうしても、ティアと一緒にいると調子が狂ってしまいます。 と、ハサウェイが思っていると、教室の扉を開けてシルビアが入ってきた。 「さぁ、みんな席に着け!! 今日はホームルームをやったら終わりだ」 シルビアは、入って来るなり、そう叫んだ。 シルビアの登場で、教室中が、ざわつき始めた。 「シルビア様ぁ、なんとお美しい!!」 「あぁ、これからシルビア様を毎日拝見できるなんて……」 「シルビアさま!! 結婚してくれぇ!!!!」 と、様々な言葉が教室中を飛び交っていた。 隣りではティアがこの教室の狂乱ぶりに目を丸くしていた。 ――毎度のことですが、姉さんの人気はもはや王女レベルですね。 ……それにしても、最後のはおかしいでしょう?
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