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「えぇい、静かにしろ!!
とにかく! 明日は皆の実力を見るため、模擬戦を行う。
通常授業は明後日からだ」
騒がしくなった教室を大喝一声で黙らせてから、シルビアは用件を伝えた。
「シルビア先生!!
質問があります!
王女様が入学したという話は本当ですか!?」
いかにも委員長やります!
といった感じの眼鏡を掛けた男(委員長と名付けましょう)が手を挙げて質問した。
その質問に、教室中の男子(ハサウェイ以外)は固唾を呑んだ。
「そんなものは知らんな。
それに、知りたければ自分たちで調べよ!!
情報戦も戦では重要だからな!!」
シルビアは委員長の質問をピシャリと打ち切ると、教室から去っていった。
ハサウェイは、その姿をポカーンとしながら眺めていた。
シルビアが立ち去ったのを合図に、王女のことを推論しながらも、三三五五と他の生徒たちも散っていく。
教室に残っているのは、もう片手で数えられるくらいだ。
もちろん、ハサウェイもその中の一人だ。
「ハサ、この後どうする?」
「今日は手伝いがあるので、帰りますよ」
「そっか、じゃまた明日な!」
アリオンは無駄に元気そうに、スキップしながら去って行った。
「じゃまたね、ハサウェイ君」
「はい、また明日」
ティアも、ハサウェイに一声かけると、そそくさと帰っていった。
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