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たった三年間の仮初の自由……
それでも、ティアはこの仮初の自由に心から満足していた。
幼い頃に交わした約束、相手の顔すら朧気にしか覚えていない。
でも、ただひたすらにその約束を信じていた。
――“せかい一の騎士になって、ぜったいにきみをまもる、じゆーにする”
“じゃあ私はせかいで二ばん目の騎士になって、まってるわ”
その約束を果たす為、毎日毎日剣の訓練を積み重ねた。
もう一度彼と会う為に、あの美しい瞳の彼に……
そう言えば、今日私を助けてくれたハサウェイ君は、どことなく彼に似ていましたね。
でも、彼な訳ないですね、私が彼に渡したペンダントもしていませんでしたし。
それでも、ティアはハサウェイが彼なら良いのに……
と、心の中で呟いた。
ティアは、アストラス大通りを南に真直ぐ歩き、ある店の前で立ち止まった。
――『戦士の空騒ぎ亭』
父の知り合いであるハマルという人物の営む宿屋兼酒場だ。
ここに住むことが、父が三年間の自由を許した三つの条件の一つだ。
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