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この男が、この鍛冶屋の主、ウルカヌス・バルカンだ。
上半身に衣服は着けておらず、隆々とした逞しい筋肉がむき出しになっている。
力だけなら、ハサウェイは到底敵わないだろう。
上着を、腰に巻いており、作業着のようなズボンをはいている。ズボンは、煤や炭が付いていて、汚れている。
そして、少し傷んだ革のブーツを履き、頭にはバンダナを巻いている。
まさに、絵に書いたような鍛冶屋だ。
「はい、ありがとうございます。
バルカンさん」
ハサウェイは、サムライソードを腰から抜き、近くにあった台の上に置いた。
店内を見回してみると、サーベルやレイピアやカットラスなど豊富な種類の武器が置いてある。
その武器一つ一つの品質もかなり高い。
だが、やはりサムライソードだけは置いていなかった。
「さすがにサムライソードが置いてある武器屋や鍛冶屋は、南のヨーツンヘイムくらいだろうな。
まっ、そこにもあるかどうかは分かんねぇがな」
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