第一話 閑話

4/12
前へ
/135ページ
次へ
この男が、この鍛冶屋の主、ウルカヌス・バルカンだ。 上半身に衣服は着けておらず、隆々とした逞しい筋肉がむき出しになっている。 力だけなら、ハサウェイは到底敵わないだろう。 上着を、腰に巻いており、作業着のようなズボンをはいている。ズボンは、煤や炭が付いていて、汚れている。 そして、少し傷んだ革のブーツを履き、頭にはバンダナを巻いている。 まさに、絵に書いたような鍛冶屋だ。 「はい、ありがとうございます。 バルカンさん」 ハサウェイは、サムライソードを腰から抜き、近くにあった台の上に置いた。 店内を見回してみると、サーベルやレイピアやカットラスなど豊富な種類の武器が置いてある。 その武器一つ一つの品質もかなり高い。 だが、やはりサムライソードだけは置いていなかった。 「さすがにサムライソードが置いてある武器屋や鍛冶屋は、南のヨーツンヘイムくらいだろうな。 まっ、そこにもあるかどうかは分かんねぇがな」
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加