第一話 閑話

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ハサウェイの心を見透かしたように、バルカンが後ろから言ってきた。 「やっぱり、珍しいんですね。 サムライソードって」 「そらそうだろうな。もう東の島国『アマツ』とは国交を結んでねぇし、輸入量自体多くなかったからな。 現存するサムライソードなんてエーテルラントには三十ないんじゃねぇか?」 ハサウェイは、改めて兄の形見……もとい、レクセシオン家の伝家の宝であるサムライソードに目を向け、やはり凄い剣なんだな、と感じた。 ハサウェイがサムライソード『和泉守兼定-イズミノカミカネサダ-』を見つめていると、バルカンが思い出したように口を開いた。 「そういや、昔アマツ出身の奴に聞いた話じゃぁ、アマツじゃサムライソードを刀と呼んでるらしぃぜ」 「カタナ……」 ――いい響きですね。僕もそう呼ぶことにしましょう。 「なるほど、刀ですか。 気に入りました! では、バルカンさん、僕は店の手伝いがあるので……失礼します。 また明日の朝伺いますね、ではお願いします」
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