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ハサウェイの心を見透かしたように、バルカンが後ろから言ってきた。
「やっぱり、珍しいんですね。
サムライソードって」
「そらそうだろうな。もう東の島国『アマツ』とは国交を結んでねぇし、輸入量自体多くなかったからな。
現存するサムライソードなんてエーテルラントには三十ないんじゃねぇか?」
ハサウェイは、改めて兄の形見……もとい、レクセシオン家の伝家の宝であるサムライソードに目を向け、やはり凄い剣なんだな、と感じた。
ハサウェイがサムライソード『和泉守兼定-イズミノカミカネサダ-』を見つめていると、バルカンが思い出したように口を開いた。
「そういや、昔アマツ出身の奴に聞いた話じゃぁ、アマツじゃサムライソードを刀と呼んでるらしぃぜ」
「カタナ……」
――いい響きですね。僕もそう呼ぶことにしましょう。
「なるほど、刀ですか。
気に入りました!
では、バルカンさん、僕は店の手伝いがあるので……失礼します。
また明日の朝伺いますね、ではお願いします」
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