第一話 閑話

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そうなのだ。 アークライム騎士養成学校は、基本的に全寮制でジオグラートに住んでいる者以外は、寮に入ることになっている。 無論、ジオグラートに住んでいる者も申請さえすれば、入寮できる制度になっているのだ。 ティアのように、わざわざ寮以外の所に住む人はあまりいない。 「私の父がハマルさんと知り合いで……それで、父が頼んだんです」 「ティアのお父さんも、ハマルさんと知り合いなんですか!!」 ハサウェイが怪訝そうな表情をしていると、ティアが説明してくれた。 ハマルは、今でこそ宿屋兼酒場のマスターであるが、その前は王国軍第一部隊の副隊長を務めていた程の男だ。 ――となると、ティアのお父さんも軍関係の人とみて間違いないでしょうね。 「“も”ってことは、ハサウェイ君も? そ、それにさっきハサウェイ君もここでお世話になっているって……」
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