24人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
男からも、兄と同じ大量の鮮血が飛散する。
そして、男の体はそのまま仰向けの状態で、引力に引っ張られるように地面に崩れ落ちていく。
それと同時に、兄の体も地面へと崩れ落ちた。
横たわる兄の体から真っ赤な液体が円環状に拡がっていく。
ハサウェイは、横たわる兄の所に行き、力なく座り込んだ。
「あ……ぁ…あ"ぁ"……」
言葉にならない嗚咽を吐き出す。言葉を忘れてしまったみたいだ……
喉が、目が、体中が焼けるように熱い。
なのに、胸にはぽっかり穴が空いたような空虚な感覚がへばりついている。
最初のコメントを投稿しよう!