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ティアが戦士の空騒ぎ亭に住むことになった翌朝、ハサウェイは珍しく早起きしていた。
まだ眠気が抜け切れず、重い瞼を擦りながら朝食を作っていた。
と言っても、パンに目玉焼きにサラダだけだが……それでも、男の一人暮らしにしてはマシな朝食の部類には入るだろう。
入らないか?
ハサウェイは、それらを蟒蛇のごとく平らげ、黒い革のズボンに、黒のTシャツ、黒のコートという黒ずくしの格好に着替えた。
アークライム騎士養成学校は、一応制服があるが、制服を着ることを強要してはいないので、私服で通う者が大半だ。
もちろん、ハサウェイもその一人。
しかし、学校行事の際は、制服を着ていくことが暗黙のルールのようになっているらしい。
らしい、というのは、この話はアリオンから昨日聞いた話だからだ。
昨日の今日で、私服で通うところにハサウェイのマイペースさが窺える。
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