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しんちゃんがこっちを見た。
しばらく目をきょろきょろさせたあと、僕を見付けて、顔をくしゃくしゃにして。
「シロ。」
名前を呼ばれた。本当に久しぶりに。
わん。
なんとか声が出た。本当に小さくて、ガラスごしじゃあ聞こえないかと思ったけれど。
でも確かにしんちゃんには届いた。
しんちゃんが近付いてくる。窓を開けて、僕に手を伸ばして。
「大丈夫。オラがなんとかしてやるぞ。」
やっと抱きしめてくれたしんちゃんの胸はどくどく言っていて、
夢の中の何十倍も、とってもあったかかった。
ねぇ汚れたわたあめでも。
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