1062人が本棚に入れています
本棚に追加
また朝がきた。
でも、その日はいつもと違っていて。しんちゃんのお母さんが僕を車に乗せてくれた。
しんちゃんのお母さんの顔は、気のせいか苦しそうだった。
車はまっ白な家の前で止まって、僕は抱きしめられたまま下ろされる。
そして一回り大きなふくろの中につられた。まっくらだ。どうしようか。昔なら、びっくりしてあばれてしまったかもしれない。でも今は、そんな力も出ない。
とりあえず丸くなると、体がゆらゆらとゆれた。
それがしばらく続き、次にゆれが収まって、足もとがひんやりしてくる。
最初のコメントを投稿しよう!