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「しんのすけ、よく聞け。いいか、生き物は何時か死ぬんだ。
それは、俺達も同じだ。……もちろん、ひまやお前のお母さんだってそうだ。
それが今。その時が、いま、来ただけなんだよ。解ってたことだろう?」
しんちゃんはなにも言わない。しんちゃんのお母さんも、続ける。
「あのね、ママが最初ペットを飼うのに反対したのはね、そういう意味もあるの。しんちゃんに辛い思いをさせたくなかったから…ううん。
私自身が、そんな辛いお別れをしたくなかったから。だから反対してたの。
でも、こうなっちゃった以上仕方ないでしょう?
せめて、最後を看取ってあげることが、私達にできる一番良いことじゃないの?」
「最後って!!!」
しんちゃんが泣いている。ぼろぼろ泣いている。手をぎゅっとにぎりしめて。僕よりもずっと大きくなってしまった手を、ぎゅっとかたく。
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