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…あれから、どれくらい時間が経っただろう。
オレ達が濡れた体のままなだれこんだせいで、しっとりと、…気持悪いようなベット。
それに、ぐったりと横たわる白くしなやかな体。
少し無理をさせたかもしれない。
ヒナの体をいたわるように撫でれば、余韻の残るその体が震えた。
「ヒナ」
名前を呼べば向けられる視線。
まだ熱を含んで艶めいている。
身を屈めて、その目尻にクチ付けを落とす。
もぞりと、ヒナの体が揺れれば
何か言いたげに唇が動きをもった。
「ユウジさん…」
名前を呼ばれて、オレも返す。
「ヒナ…」
続いた言葉は、浴室で重なった、あの単語。
耳にいつまでも音が残る。
「好き」
何度言っても、体からあふれてくる。
全部、受け止めて
全部、飲み込んで
ヒナんなかがオレでいっぱいになってしまえばいい。
オレなんて、ヒナの事だけで容量いっぱい。フリーズしちゃいそう。
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