710人が本棚に入れています
本棚に追加
あれは…いつだっけ。
そうだ。中学の時――
―――――――
――――……
「松永くんてカッコイイよね」
「バスケ部って所が更にカッコイイ!」
「うんうん。ね、恵里香ちゃんもそう思うでしょ!?」
「あ…うん。そうだね」
「いいなぁ~女バスなら見放題だね」
「いや、アンタこそ見放題でしょ」
「えへへ…」
松永くんは。
中学の時から目立つ存在だった。
特に…
「おーい。立石せんぱーい」
「あ!噂をすれば!」
「ホラ、美幸。来たよ」
「うふふ。行ってきまーす」
チャラさが。
美幸という名の友人は、嬉しそうに頬を染めながら松永くんの元に駆けてゆく。
その様子をぼんやりと眺めていると、目があった松永くんにニッコリと微笑まれた。
私は思わず顔を背ける。
だって、有名だもの。
2年4組の松永亮くん。
1つ年下の彼は、色んな女の子を取っ替え引っ替えで。本命なんかいなくて。遊んでばっかりだって。
どうせ…美幸も遊びなんでしょう?
.
最初のコメントを投稿しよう!