恋のはじまり

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「…ううっ。ふえっ……」 「ホラホラ、美幸ぃ。泣かないでぇ」 あれから数週間後。 やっぱり美幸とは遊びだったみたいで、本気になってしまった彼女だけが、別れに涙を流していた。 ―やっぱりね― 私はそうとしか思えなかった。 どうして、そんな事で泣くのかしら。 あなたも知ってたでしょう?彼が、そういう人だって。 なんで、自分だけが特別だなんて思えたのかしら―― 私の恋愛観は、きっと周りより大人びていて…というより、冷めきっていた。 「あはは。絢香さんって面白いなぁ」 「やだぁ、亮くんったら」 廊下から、聞きたくない声がする。 「うううっ」 「美幸ぃ」 美幸は、楽しそうなその会話を聞いて泣き崩れた。 …最低な男。 まぁ、中学を卒業したら会うこともないでしょう―― .
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