恋のはじまり

3/12
前へ
/313ページ
次へ
私も、男も。 ドアを開けた人物に釘付けになる。 「…何、してんスか」 目の前の光景に目を見開く、バスケ部の1年生に。 「チッ」 そう舌打ちをすると、私の上にいた男――吉田先輩は立ち上がると荒々しく部室を出て行った。 「………」 「………」 部室内に沈黙が訪れる。 私は座り直すと、必死に頭の中を整理していた。 吉田先輩に、呼び出されて…告白されて。それで……断ったら………さっき、みたいに…… 「!」 急に肩に触れられた私は、思いの外ビクリと反応してしまった。 あ…ジャージ…? 「それ……人のジャージなんて気持ち悪いかもしんないっスけど…」 優しい声が上から降ってくる。 .
/313ページ

最初のコメントを投稿しよう!

710人が本棚に入れています
本棚に追加