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私も、男も。
ドアを開けた人物に釘付けになる。
「…何、してんスか」
目の前の光景に目を見開く、バスケ部の1年生に。
「チッ」
そう舌打ちをすると、私の上にいた男――吉田先輩は立ち上がると荒々しく部室を出て行った。
「………」
「………」
部室内に沈黙が訪れる。
私は座り直すと、必死に頭の中を整理していた。
吉田先輩に、呼び出されて…告白されて。それで……断ったら………さっき、みたいに……
「!」
急に肩に触れられた私は、思いの外ビクリと反応してしまった。
あ…ジャージ…?
「それ……人のジャージなんて気持ち悪いかもしんないっスけど…」
優しい声が上から降ってくる。
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